ゴミ屋敷を放置することによって引き起こされる危険性について解説してみました。この章では、ゴミ屋敷の根本的な解決につながる、精神疾患の治療と、具体的なアプローチについて詳しく解説していきます。まず、ためこみ症(ホーディング障害)の場合、認知行動療法が有効な治療法とされています。認知行動療法では、ためこみ行動の背景にある考え方や感情に焦点を当て、行動パターンを変えていくことを目指します。また、抗うつ薬などの薬物療法も、症状の緩和に役立つ場合があります。次に、うつ病が原因でゴミ屋敷になっている場合は、抗うつ薬などの薬物療法と、精神療法(カウンセリング)を組み合わせた治療が効果的です。精神療法では、うつ病の原因となっているストレスやトラウマなどを特定し、解決を目指します。そして、認知症が原因の場合は、認知症の進行を遅らせる薬物療法と、リハビリテーションを組み合わせた治療が効果的です。また、介護サービスの利用や、生活環境の整備も、重要となります。これらの精神疾患の治療に加えて、ゴミ屋敷の片付けも必要です。しかし、ゴミ屋敷に住んでいる人は、自分で片付けを行うことが難しい場合が多いため、専門の業者に依頼したり、周囲の人の協力を得ることが大切です。また、地域によっては、ゴミ屋敷問題に対応するための支援制度が設けられていますので、利用してみるのも良いでしょう。精神疾患の治療と、ゴミ屋敷の片付けを並行して行うことで、根本的な解決を目指すことができます。次章では、ゴミ屋敷に陥っている人を、どのように支援すれば良いかについて解説していきます。