庭の手入れをしている時や、植木鉢を動かした下などで、ピョンピョンと跳ねる小さな生き物を見かけたことはありませんか?その姿がなんとなくエビに似ていると感じ、「エビみたいな虫」と検索する方も多いようです。この小さな跳ねる生き物の正体として最も可能性が高いのが、「ヨコエビ」と呼ばれる甲殻類の仲間です。名前に「エビ」とありますが、私たちが食用にするようなエビ(十脚目)とは異なり、端脚目(たんきゃくもく)に属する生物です。多くは海や淡水に生息していますが、陸上の湿った環境に適応した種類も存在し、これらが庭などで見られます。体長は数ミリから1センチ程度と小さく、体は左右に平たい形をしています。たくさんの脚を持ち、体を丸めるような姿勢をとることが多いのも特徴です。そして、危険を感じると、体をバネのように使って勢いよく跳ねることができます。この跳ねる動きが、彼らを「虫」だと誤解させる一因かもしれません。庭のヨコエビは、主に落ち葉や腐葉土などの有機物を食べて分解する役割を担っています。つまり、自然界のサイクルにおいては、土壌を豊かにしてくれる「分解者」として重要な存在なのです。直接人間に害を与えることはなく、植物を食害することもほとんどありません。むしろ、土壌環境にとっては益虫と言えるでしょう。しかし、その見た目や動きから不快に感じる方もいるかもしれません。もし庭で見かけて気になる場合は、彼らが好む湿った環境を改善することが対策の基本となります。落ち葉をこまめに掃除したり、水はけを良くしたりすることで、数を減らすことができます。薬剤を使用するほどの害はないため、まずは環境整備から試してみるのが良いでしょう。次に庭で「エビみたいな虫」を見かけたら、それは土を綺麗にしてくれているヨコエビかもしれない、と少し見方を変えてみるのも面白いかもしれませんね。
庭にいるエビのような虫の正体はこれかも