大切に育てている花や野菜が、いつの間にか蛞蝓(ナメクジ)の餌食に…そんな悲しい経験はありませんか?蛞蝓は一度発生すると駆除が厄介なため、最も効果的な対策は、そもそも蛞蝓が寄り付きにくい環境を作ること、つまり「予防」です。ここでは、蛞蝓を寄せ付けない庭づくりのためのポイントをご紹介します。蛞蝓は湿気が多く、暗くて隠れ家となる場所を好みます。したがって、庭全体の風通しと日当たりを良くすることが基本となります。茂りすぎた枝葉は適度に剪定し、地面に日光が当たるようにしましょう。雑草もこまめに抜き取り、蛞蝓が隠れやすい場所を減らします。特に、家の壁際や塀の近くは念入りに手入れしましょう。落ち葉や枯れ草も、蛞蝓の格好の隠れ家であり、湿度を保つ原因にもなります。定期的に掃除し、堆肥にする場合は、家から少し離れた場所に設置するのがおすすめです。植木鉢やプランターの置き方にも工夫が必要です。地面に直接置くと、鉢底の穴から蛞蝓が侵入したり、鉢の下が常に湿った状態になったりします。鉢の下にレンガやブロックを置いたり、フラワースタンドを利用したりして、地面との間に隙間を作り、風通しを良くしましょう。水やりは、植物が必要とする量にとどめ、過剰に与えないように注意します。特に夕方以降の水やりは、夜間に活動する蛞蝓にとって好都合な湿った環境を作ってしまうため、できるだけ午前中に行うのが理想的です。物理的な侵入防止策も有効です。蛞蝓は銅イオンを嫌う性質があるため、プランターや花壇の周りに銅板や銅線を設置すると、侵入を防ぐ効果が期待できます。また、木酢液や竹酢液を薄めて定期的に散布する、コーヒーかすや卵の殻、珪藻土などを撒くといった方法も、忌避効果があると言われています。ただし、これらの効果は永続的ではないため、定期的なメンテナンスが必要です。さらに、蛞蝓の餌となるものを減らすことも大切です。傷んだ野菜や果物は早めに取り除き、コンポストなどを利用する場合は、密閉できる容器を使用するなど管理を徹底しましょう。これらの予防策を複合的に実践することで、蛞蝓にとって魅力のない、住みにくい庭環境を作ることができます。根気強い取り組みが、大切な植物を蛞蝓被害から守る鍵となります。
もう悩まない蛞蝓を寄せ付けない庭づくり