ミツバチは、花の蜜を集め、受粉を助ける益虫として知られ、スズメバチやアシナガバチに比べると、私たちにとって親しみやすい存在です。しかし、彼らも巣を守るためには毒針で攻撃してくることがあり、その活動時間を知っておくことは、穏やかな関係を保つために役立ちます。ミツバチの活動時間は、気温と太陽の光、そして蜜源となる花の開花状況に密接に関連しています。彼らは、体温を上げて飛ぶために、ある程度の暖かさが必要です。一般的に、気温が10度を超えると巣門から偵察の蜂が出始め、15度以上になると、本格的な採集活動が始まります。したがって、春から秋にかけての暖かい日の午前中が、彼らの活動の始まりとなります。活動のピークは、気温が高く、日差しが強い午前10時頃から午後3時頃です。この時間帯には、数千、数万という働き蜂が一斉に巣から飛び立ち、蜜や花粉を集めに奔走します。公園や庭で、たくさんの花にミツバチが集まっている光景は、まさにこのピークタイムに見られます。夕方になり、気温が下がったり、太陽が傾いたりすると、彼女たちは巣へと帰っていきます。ミツバチとの関わりで注意すべき点は二つあります。一つは、巣への接近です。ミツバチは基本的におとなしい性格ですが、巣に危険が迫ったと判断すると、集団で防衛行動をとります。家の屋根裏や壁の中などに巣を作られてしまった場合は、彼らが活発に活動している日中に巣を刺激しないよう、特に注意が必要です。もう一つは、花の周りでの遭遇です。庭仕事で花の近くにいる時や、香りの強い香水を付けていると、ミツバチが寄ってくることがあります。慌てて手で払ったりせず、静かにその場を離れるのが賢明です。ミツバチの活動時間を知ることは、自然の営みへの理解を深めることにも繋がります。彼女たちが一生懸命働いている時間は、私たちもそっと見守り、邪魔をしない。その小さな配慮が、ミツバチとの良好な共存関係を築く上で大切なことなのです。