やけど虫の症状と経過初期対応から痕ケアまで
「やけど虫」という名前を聞いたことがあるでしょうか?正式名称はアオバアリガタハネカクシという昆虫で、触れると皮膚に炎症を起こし、まるでやけどのような症状を引き起こすことから、この通称で呼ばれています。ここでは、やけど虫による皮膚炎の症状、経過、そして適切な対処法について解説します。やけど虫は、体長7mm程度の細長い昆虫で、体色はオレンジ色と黒色の目立つツ、トンカラ、です。日本全国に広く分布しており、水田や畑、草地など、湿った場所に生息しています。夜行性で、日中は物陰に隠れており、夜になると活動を開始します。やけど虫は、体液中にペデリンという有毒物質を含んでおり、このペデリンが皮膚に付着することで、炎症を引き起こします。やけど虫に直接触れなくても、潰したり、払ったりした際に体液が飛び散り、皮膚に付着することがあります。やけど虫の体液が付着してから、数時間から半日程度で症状が現れます。初期症状としては、皮膚の赤み、かゆみ、ヒリヒリとした痛みなどが挙げられます。その後、水ぶくれや膿疱(膿を持った水ぶくれ)が形成され、強い痛みを伴うことがあります。水ぶくれが破れると、びらん(ただれ)や潰瘍(皮膚の欠損)になることもあります。症状の程度は、体液が付着した量や、個人の体質によって異なりますが、通常は1~2週間程度で自然に治癒します。しかし、適切な処置を行わないと、炎症が長引いたり、痕が残ったりすることがあります。