ねずみのふんには、様々な病原菌や寄生虫が含まれており、人に感染症を引き起こす可能性があります。ここでは、ねずみのふんから感染する可能性のある病気とその症状について解説します。まず、サルモネラ症ですが、サルモネラ菌は、ねずみのふんや尿に汚染された食品や水を摂取することで感染します。主な症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などです。通常は、数日から1週間程度で自然に回復しますが、重症化すると、脱水症状や敗血症などを引き起こすことがあります。次に、レプトスピラ症ですが、レプトスピラ菌は、ねずみの尿に汚染された水や土壌に触れることで感染します。主な症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、黄疸、腎障害などです。重症化すると、ワイル病と呼ばれる重篤な状態になり、死に至ることもあります。また、ハンタウイルス肺症候群ですが、ハンタウイルスは、ねずみのふんや尿、唾液などに含まれており、これらが乾燥して空気中に飛散したものを吸い込むことで感染します。主な症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、咳、呼吸困難などです。重症化すると、肺水腫や呼吸不全などを引き起こし、死に至ることもあります。さらに、E型肝炎ですが、E型肝炎ウイルスは、ねずみのふんや尿に汚染された食品や水を摂取することで感染します。主な症状は、発熱、倦怠感、食欲不振、黄疸などです。通常は、数週間から数ヶ月で自然に回復しますが、劇症化すると、死に至ることもあります。その他にも、ねずみのふんには、様々な寄生虫が含まれていることがあります。これらの寄生虫に感染すると、腹痛、下痢、貧血などの症状が現れることがあります。これらの病気を予防するためには、ねずみのふんを見つけたら、適切な方法で処理し、再発防止策を講じることが重要です。