夏のアウトドア、キャンプやハイキング、川遊びなどで遭遇したくない虫の筆頭が虻(アブ)です。しつこく追いかけてきて、痛みを伴う吸血を行う虻から身を守るためには、事前の対策が非常に重要になります。ここでは、虻の被害を最小限に抑えるための対策をまとめました。まず、虻が発生しやすい場所と時間帯を知っておきましょう。虻は水辺や牧草地、森林などを好み、特に日中の気温が高い時間帯(午前10時頃から午後3時頃)に活動が活発になります。これらの場所へ行く際や、この時間帯に行動する際は、特に注意が必要です。次に、服装による対策です。虻は黒や紺などの濃い色に集まる習性があると言われています。そのため、白や黄色、明るいグレーなど、淡い色の服装を心がけるのがおすすめです。また、肌の露出を極力避けることも重要です。長袖、長ズボンを着用し、首元はタオルやネックガードで保護しましょう。帽子も必須です。生地は、虻の口器が貫通しにくい、ある程度厚手のものを選ぶとより安全です。虫除け剤の使用も効果的です。ただし、一般的な蚊よけスプレーに含まれるディートは、虻に対しては効果が薄い場合があります。虻に効果があると明記されている、イカリジン配合の虫除け剤や、ハッカ油などの天然成分を利用した虫除けスプレーを選ぶと良いでしょう。汗で流れてしまうため、こまめに塗り直すことが大切です。服の上から使えるタイプの虫除けスプレーも併用すると効果が高まります。さらに、虻は動きにも反応するため、むやみに手で追い払ったり、走り回ったりすると、かえって興奮させてしまうことがあります。もし虻が寄ってきたら、慌てずにゆっくりとその場を離れるようにしましょう。車の中にいる場合は、窓を閉めて侵入を防ぎます。万が一、虻に刺されて(咬まれて)しまった場合の対処法も知っておきましょう。まず、傷口を清潔な水でよく洗い流します。毒を吸い出すポイズンリムーバーがあれば使用するのも有効です。その後、抗ヒスタミン成分やステロイド成分が含まれた軟膏を塗り、冷やすことで腫れや痒みを和らげることができます。痒くても掻きむしらないように注意しましょう。症状がひどい場合や、アレルギー反応(吐き気、めまい、呼吸困難など)が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
夏のレジャーを守る虻対策完全ガイド