農家から玄米を直接購入し、コイン精米所で精米したてのお米を食べているという方も多いでしょう。新鮮で美味しいお米ですが、一方で「コイン精米所のお米は、スーパーで買うお米より虫が湧きやすい」という声を耳にすることがあります。これは、いくつかの理由が考えられます。第一に、精米したてのお米は、虫にとって非常に魅力的な状態であるということです。精米によって米の表面が削られ、栄養豊富なヌカの香りが立つため、虫を誘引しやすくなります。また、スーパーなどで販売されている袋詰めのお米は、工場で袋詰めされる際に、防虫のための処理(炭酸ガス封入など)が施されていることがありますが、コイン精米所のお米には、そうした処理が一切ありません。いわば、無防備な状態で持ち帰ることになるのです。第二に、コイン精米所そのものが、虫の発生源となっている可能性です。コイン精米所は、不特定多数の人が様々な状態の玄米を持ち込む場所です。中には、すでに虫が湧いている玄米を持ち込む人もいるかもしれません。精米機の内部や、ヌカが溜まるボックスは、清掃が行き届いていないと、虫の温床になりがちです。そこで精米することで、自分の持ち込んだお米に、虫やその卵が付着してしまうリスクがあるのです。では、どうすれば良いのでしょうか。対策としては、まず、信頼できる、清掃がきちんと行われているコイン精米所を選ぶことが大切です。そして、精米したお米は、持ち帰る際に入れてくれた袋のまま保管せず、家に帰ったらすぐに密閉容器に移し替えることを徹底してください。そして、できるだけ早く冷蔵庫で保存するのが最も確実な予防策となります。コイン精米所のお米が持つ「新鮮さ」というメリットは、裏を返せば「無防備さ」というデメリットと隣り合わせです。その特性を理解し、持ち帰った後の保存方法を工夫することが、美味しいお米を虫から守るための鍵となります。