スズメバチ対策において、ハッカ油を「駆除」目的や、すでに活動している蜂への「虫除け」として使うことには、蜂を刺激するリスクが伴います。しかし、視点を変えて、巣を作られる前の「予防」という段階に限定すれば、ハッカ油は有効な選択肢の一つとなり得ます。ここでは、スズメバチに巣を作らせないための、正しいハッカ油の予防術と、その注意点を解説します。スズメバチの巣作りは、春先に冬眠から目覚めた女王蜂が一匹で場所を探すことから始まります。この女王蜂に「この場所は巣作りに適さない」と思わせることができれば、その年の被害を未然に防ぐことができます。ハッカ油の強い香りは、多くの虫にとって居心地の悪い環境を作り出すため、この女王蜂を遠ざける効果が期待できるのです。予防に使うハッカ油スプレーは、簡単に自作できます。用意するものは、無水エタノール10ml、ハッカ油20〜40滴、そして精製水90mlです。まず、スプレーボトルに無水エタノールとハッカ油を入れてよく振り混ぜ、その後、精製水を加えてさらに混ぜ合わせれば完成です。このスプレーを、スズメバチが巣を作りやすい場所、例えば軒下、ベランダの天井、エアコンの室外機の裏、雨戸の戸袋、換気口の周りなどに、週に1〜2回のペースで定期的に噴霧します。特に、女王蜂が活動を開始する4月から6月にかけて、集中的に行うのが効果的です。ただし、使用にはいくつかの重要な注意点があります。まず、ハッカ油は揮発性が高いため、効果が長続きしません。雨が降れば流れてしまうので、根気強く継続することが大切です。また、プラスチックの一種であるポリスチレン(PS)を溶かす性質があるため、使用するスプレーボトルの材質(PP、PE、ガラス製などが推奨)や、噴霧する対象の材質には注意が必要です。そして、最も重要な注意点は、もし近くに巣ができてしまっている場合は、この予防スプレーの使用を直ちに中止することです。すでに縄張り意識を持った蜂を刺激し、攻撃を誘発する危険性があります。
ハッカ油を使ったスズメバチ「予防」術!正しい使い方と注意点