お米に虫が湧いているのを見つけた時、多くの人が真っ先に抱く疑問は、「このお米、まだ食べても大丈夫なのだろうか?」ということでしょう。大切に育てられたお米を捨てることへの罪悪感と、衛生面への不安との間で、心は揺れ動きます。結論から言うと、「条件付きで食べることは可能」ですが、そのためにはいくつかの重要な見極めのポイントがあります。まず、安全性についてです。お米に湧くコクゾウムシやノシメマダラメイガといった虫そのものには、基本的に毒性はありません。そのため、誤って数匹食べてしまったとしても、直ちに健康を害するということは、ほとんどないと考えられています。アレルギー体質の方は、虫のフンや死骸がアレルゲンとなる可能性もゼロではありませんが、重篤な症状を引き起こすことは稀です。問題となるのは、虫の発生に伴う「二次的な汚染」です。虫が大量に発生すると、その排泄物や死骸によって米が汚染されます。さらに、虫が米粒に穴を開けたり、糸を張ったりすることで、そこから湿気が入り込み、カビが発生しやすくなります。カビの中には、人体に有害なカビ毒(マイコトキシン)を産生するものもあり、こちらの方がはるかに危険です。したがって、食べられるかどうかを見極める最大のポイントは、「虫の発生程度」と「カビの有無」です。もし、虫の数が数匹程度で、お米にカビや異臭、異常な変色が見られない場合は、後述する適切な処理を行えば、食べても問題ない可能性が高いです。しかし、米びつの底が見えないほど虫が大量に発生している、米が糸で固まっている、黒や緑のカビが生えている、酸っぱいようなカビ臭い匂いがするといった場合は、健康リスクを考えて、潔く廃棄することをお勧めします。どんなに「もったいない」と感じても、家族の健康を危険に晒すわけにはいきません。その見極めが、非常に重要になるのです。